「いい酒が入ったぞ!」 

 戦争も終わって幾年。作業機械として使われている元・戦車乗りのオジサンと、仲良しのオッサンが道ですれ違って立ち話。「良い酒入ったぞ!」「後で行くよ!」「にゃー。」そんな日常の風景を作りました。そんなこんなで、オリジンのガンタンクのプラモデルを見てて、こんな風景が浮かんで、ジオラマを作りました。

 基本のコンセプトは上記の通りなのですが、戦争が終わって、兵器だった戦車もすっかり作業用機械として使われていて、日常に溶け込んでる雰囲気を出したかったのです。オリジンのガンタンクは1/48のフィギュアと組み合わせると丁度しっくり来たんですよ。
 後ろから。何だかんだでガンタンクは重いのでキャタピラ跡は深めにしました。土は、ファンドをこねこねしつつ、鹿沼土を混ぜたりしております。
 作業用に改修というよりは、元戦車乗りのオッサンが足代わりに使っちゃってるってとこでしょうか。戦争の時の名残の傷も随所に入れています。両手のバルカンも不要なので外してマニュピレーターと作業台にしてあります。この辺はきっと作業内容によって変えるんでしょう。
 ガンタンク自体は基本的にあまり弄っていません。コクピットを作ってマニュピレーターをつけて小物を足した位です。元のガンタンクのキットが非常に雰囲気のある良いものだったので、この雰囲気を生かしたいなー、って思ったのです。
 ナナメ後ろから。今まで「土」の表現をやった事は無かったので、試行錯誤しつつもがんばってみました。土の汚れもどんな風に着くのか、写真を見たり工事現場の車両を見たりしてやってみました。また、今回初めてクレオスの「Mr.ウェザリングカラー」を使ったのですが、非常に重宝しました!オススメですよー!
 酒を持ってるオッサン。今回使ったフィギュアはタミヤの1/48イギリス兵のセットです。「民間人」としてこのオッサンも入っていたのでそのまま使っています。あ、そうでした、軽トラの説明をしてなかった。軽トラは、エブロのミニカーを使っています。豪勢!というワケではなく、以前エブロの福袋に入っていた手持ちがあったので今回使ったのです。積んである小物類はタミヤのものです。ドラム缶のカバーはティッシュを馴染ませて塗装したものです。後ろの木箱からチラ見えしてるお酒のビンもポイント(笑)
 ガンタンクのコクピット。ここは元には当然無い部分なのでプラ板やジャンクパーツ等で自作しました。レバーは真鍮線を曲げてつけています。
 軽トラアップ。ホンダの古い軽を生活観が出る様にダメージを入れつつ汚しをしました。元が非常に精巧に出来ているので味付けしただけで雰囲気出てくれてます。
 砲身。ここは使わない、という意思表示の意味も含めて先端部分を封印しています。「参」というのは過去の部隊の名残の数字なのでしょう。
 下の動力部にも人が入る所がありますが、これは今は使われてません。その隣は以前はバルカン砲が付いていましたが取っ払って荷物台を取り付けています。灯油缶やバケツ、スコップなどを今は置いています。
 実は頭は閉じる事が出来ます(^^; 無駄に可動を仕込んでおります。本当は中にフィギュアを座らせる事も出来るんですが、それにはかなりバラさないといけないのでやっていません(^^;; キャタピラに付いたドロは、タミヤのテクスチャーペイントと溶きパテを混ぜたものを付けています。場所によって微妙に色を変えています。
 両腕の裏側にもキャタピラから跳ねたドロや土などをつけました。細かい、見えない部分もがんばってみました(^^;
 そして、ここまで触れて来なかった真の主役の登場です(笑)元戦車乗りのオッサンの飼い猫で、いつでも一緒に付いて来る変な猫なんです、きっと。で、この猫さんは実はタミヤ製。知る人ぞ知る、1/35ドイツ兵のとあるセットに入っている猫なのです。サイズ的には他のフィギュアと組み合わせるとオーバーサイズなのですが、大きい猫も居るし、いいかな、と(汗)サイズを比較してみたらちょうどウチの「ちょび」位だったし(笑)あ、ちなみにこのヒゲは筆を切って、ゼリー状瞬着で付けています。
 そんなこんなで、ガンタンクを使ったジオラマでしたー。今回は本当に、何か、ストンとこの情景が浮かんで、どうしても作りたくなっちゃったので作りました。で、試しに屋外で撮影してみたら何とも雰囲気のある写真に仕上がってくれたので、自然光は偉大だな、と思いました。今回はこのジオラマで、浜松ジオラマグランプリ2015に応募しました。何とか一次を通過したので嬉しいです!このガンタンクのキットが非常に雰囲気のある良いものだったので助けられました(^^;
 何だか外で撮った猫が生き生きしている気がする(^ω^)